2月3日は節分👹「鬼と歯」にまつわるおとぎ話をみつけました
~歯をボロボロにされた鬼~
むかしむかし、ある山奥に一匹の鬼が住んでいました。鬼は毎日のようにふもとの村にやってきて、畑を荒らしまわり、家にある食べ物を手当たりしだいに食べるのです。村人はすっかり困って畑仕事も手につきません。そこで寺の和尚さんに相談して、鬼が来ると寺へ連れて行き、酒を飲ませ、ごちそうを食べさせることにしたのです。おかげで畑は荒らされなくなりましたが、今度はごちそう作りが大変です。村人たちが交代でごちそうを作り、酒を用意しなくてはいけないのです。
ある日のこと和尚さんが「今日は鬼に出すごちそうに、白い石を四角に切ったものと、竹の根を輪切りにしたものを用意するように」と、いいました。鬼はいつものようにやってきました。「さぁどうぞ」和尚さんが案内すると、大きなお膳の前に座らせて、「今日は酒の肴にとうふと竹の子を用意しました」と、いって白い四角の石と竹の根の輪切りを出しました。それから自分のお膳には本物のとうふと竹の子の煮物をおいたのです。「ほう、これはうまそうだ!」鬼はいつものように酒を飲み、とうふといわれた白い石をほおばりました。
ガシン!その石の固いこと。
必死になってかみくだいたら、鬼の歯がボロボロになってしましました。「なんて固いとうふじゃ・・・。うん?」ふと和尚さんの方を見てみると、さもおいしそうにとうふを食べています。和尚さんは続いて、竹の子の煮物を口に入れると、これまたおいしそうに食べました。鬼も同じように竹の根の輪切りを口に入れましたが、固くて固くて、やっぱり歯がたちません。それでも人間に負けてなるものかと、思いきってかみくだいたんので、残りの歯もボロボロになってしまいました。さすがの鬼もびっくりして和尚さんにいいました。「こんな固い物をよく平気で食べられるもんだ」すると和尚さんは、にっこり笑って「なぁに人間の歯は鉄より固く、何だってかみくだくことができる。なんならおまえさんの腕にかみついてみようか。」「と、とんでもない!!」鬼はあわてて手をふりました。「そればかりじゃない。地面だってひっくり返すことができるぞ。あれを見てみろ。」和尚さんが、麦畑の方を指しました。見ると昨日まで黄色く実っていた麦は一本もなく、畑はすっかり耕されて、黒々とした土になっていました。
(なるほど、人間というのは恐ろしい力を持っているものだ。そうとは知らずに畑を荒らしたり、ごそうを食べたりしていたが、もしかすると、わしを安心させて捕まえるためかもしれないぞ)
そう思うと鬼は急に怖くなり、そのまま山奥に逃げ込むと、二度と姿をみせることはなかったということです。

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